10月6日 0時半 札幌市内某所
「カンパアアイィィ!」

金曜日の夜中に響いたグラスの音は、私の誕生日を表す祝砲だった。
ただの誕生日ではない。
私の記念すべき20歳の誕生日である。
酒を飲めるとか社会的責任の枷が外れるとか。
まぁ色々あるが、そんなことよりも私のランドヌール人生の幕が開かれた事が一番嬉しかった。
「ランドヌール」なにそれ?おいしいの?って方のために説明しよう。
ランドヌールとは
ブルベと呼ばれる自転車競技に参加する長距離ロングライダーの事を指す。
語源はフランス語で「小旅行(Randonnee)」を表す「ランドネ」から来ていて自転車の車種にある「ランドナー」も同じ語源だ。
そしてそのブルベに参加するには
二十歳以上で、決められた距離を制限時間以内に第三者のサポートを使わずに自らの力だけで走破できる走力を有する者。とある。
走破技能は……ま…まぁ。
しかし年齢制限の壁は確実に越えられない。
この日まで長かった……
ブルベを知ったのは丁度1年半前。
某YouTuberが投稿した「自転車で200km走ってみた」や「400km走ってみた」を視聴してから。
その後私は「東京大阪間キャノンボール」「around北海道2400km」に興味を持ち調べ始めるようになる。
ロングライドも好むようになり、「1回のサイクリングで絶対に130km以上走らないと物足りなく感じて死んでしまう病」に苦しんだ。
今回は待望の初ブルベ参戦物語について書いていく。

今回参加した「BRM1006大夕張200km」は2019年度最後のブルベで100人程の参加者がいた。
20歳で最年少というのも、なんだか不思議な感覚だが社会ではそれも普通だろう。
まずはブルベに必要な装備を部屋中のガラクタから探し出す。
最初に
ブルベ参加規約にはいくつか項目がある。
フロントライト (400km以上は2灯)
テールランプ
反射ベスト
ベル
ヘルメット(400km以上は尾灯装着)
自転車での事故を無制限保証する保険加入義務
以上の項目を埋めなければ参加できない。
今回は200kmの旅なので前照灯は1個でも問題ないが、もしもメカトラで使用不能になれば規約違反で認定されないので2個装備することにした。
続いて尾灯は1つしか所持していないので2個は諦める。(ヘルメットも同様の理由)
反射ベストはブルベ用に新しく購入。
今まで旅で使用していた工事現場自発光ベストは主すぎるので適さないと考えた。
ヘルメット装着。
保険は加入済。
これで参加資格はGETしただろう。
お次は愛車とその装備についてだ。
車体はKONAホイールハウスでいく。

年越し宗谷岬を真っ先に想定して購入したがブルベ用とも考えていたので迷わずこやつを選んだ。
この車両のデフォルト装備は、旅専用超重車両(通称緑の彗星 通常の1/3倍のスピード)であるが、ブルべにそのような装備では挑めない。(いつかは挑んでも良いのだが。)

タイヤは今年に入ってまだ5000km程しか走っていないので、そのままグラベルキングで。
気温がどれぐらい低下するか分からないので、サドルバックにダウンジャケットとレインコートとモバイルバッテリーを入れる。
トップチューブバックには、おやつとブルベカードとキューシート。

キューシートは必要かどうか迷ったが「備えあれば憂いよし」と言うし………
別に重量にシビヤにならなくても只でさえ重い装備なのだから関係ないって事でカラー印刷かけてスマホ裏に張り付けた。
スマホには
ルートラボデータとキューシートデータを保存して、いつでも開くことができるようにタブを固定。

メインカメラはいつも通り一眼レフを垂れ下げて走行する。
予備バッテリーは無し。
レンズは広角と望遠で迷ったが個人的にどんな場面でも使い馴れている55-250mmの望遠を装着。
カメラおっも………
はよ新しいレンズ欲しいわ……

まぁこれで準備万端じゃろ( ^∀^)
次回に続く。