年越し宗谷岬3日目

寒い!
外出たくない!

昨日は疲れたからかぐっすり眠れた。

いつもは目が覚めると寝袋の中でモゾモゾしながら情報収集をしているが
今日は寒すぎた。

体を動かして暖めなきゃ死ぬレベル

靴に足を突っ込む。

あっ……凍ってる……

-8℃恐ろしい……

とりあえず雪を溶かしてお湯を作り、カップラーメンを作る。

ついでにお湯を靴にかけて温める。

「ヒッチハイカーの人が言っていた対策は靴を履いたまま寝袋に入る。」

というゴリ押し対策。

今日からはそうしよう……

テント内は結露してフライシートと内テントが引っ付きガチガチに凍っている。

テントを畳むときはかなり苦労した。

一番の問題は寝袋が濡れていたことだ。

結露して凍ってくれれば良いが、体温で凍らないようになっている。

今回はシュラフカバーを装備していないので濡れまくりなのだ。

最初の装備改善点が見えた。

テントをたたみ体を動かしていると隣のテントから人が出てきた。

あれ?

剣淵のヒッチハイカーじゃん。

同じ道を通って宗谷を目指しているから当然かもしれないが、この人とは良く会うなあ~

雑談をしていると、どうやら音威子府にチャリダーが1人いるらしい。

Twitterでアカウントを見つけてコンタクトをとってみようとするが反応がない。

会ってみたいし、一緒に走りたいので待ち伏せすることにする。

道の駅前にある国道はY時交差点。

右は浜頓別行き左は幌延行き

宗谷岬に行くには絶対に通らなくてはならない道である。

待ってる間は快晴になった空をみてテンションをあげ暴れていた。

走り回ったり、腕立て伏せしてみたり。

すると、軽トラからおじさんが降りてくる。

「宗谷岬目指してるんだ~」なんてヒッチハイカーが話していると

「一時間後に用事済まして来るから乗せてやるよ!」

なるほど。

こんな感じでヒッチハイクが成立するんだな。

面白そう。自分もやってみたいかも。

おじさんはそう言って後輪を左右に振り、ドリフトしながら走って行った。

8時半

チャリダーらしき人が現れる。

ほんとにいた……

しかも、日本一周チャリダー。

わざわざ日本一周中に年越し宗谷岬を目指してくるとか狂ってるぜ……

軽くお話ししてから遠別と幌延の分かれ道まで一緒に漕いでもらう事になった。

除雪機が一生懸命稼働している中、自転車二人組が横を通過していく。
なんとも異様な光景だ。

天塩川に沿いながら進む。
高低差がしっかりとある道で、登りはかなり辛い。
かといって、下り坂は落車しないように慎重に下る。

北海道命名の地
という看板がでてくる。

ツーリングマップに書いてあるスポットで事前にチェックしている地点だった。

除雪されてないので中にはいれない。
積雪1.2m の壁はでかかった。

写真だけとる

DSC_2379

さて、気を取り直して先へ進む。

いくつかのトンネルを潜り抜けて走り続けると辺りが開けた空間に出た。

辺りには崩れかけのサイロや人が住んでいるのか怪しい木造建築。

「殺風景」という言葉がふさわしい。

そこから第一目標としていたT字路はすぐだった。

日本一周チャリダーさんとはここで一旦お別れし、私はオロロンラインを目指す。

10㎞程の峠道を進むことになるがそこまで苦痛には感じなかった。

理由としては交通量が皆無なのもあるが、景色がよかったからだ。

道路の左右に広がる森の木々に雪が細かく積もり美しい。心が浄化される。

峠を下ると平野が広がっており転々とした農家が目立つ。

こっちの農家はまだ人が住んでいるらしく、きちんと除雪されていた。

ラジオからは今年の四月に亡くなってしまった日高晤郎の話声が聞こえ北海道らしさを感じながら進む。

直線道路に出ると風が強くなり車体を押し戻してくる。

さらには雪煙を巻き上げ前方100mの視界はゼロ。

「うひぃぃぃ」「やばいやばい」

こんなところでパンクしたりすれば確実に死ぬだろう。

前後左右ホワイトアウトで交通量も1時間に0.8台。辺りの農家は人が住んでるのか住んでないのか怪しい。時々県外になる電波障害地域。

まさに陸の孤島だ。

しかしこんな状況でも楽しんでいる自分がいる。

なぜだろうか。今改めて考えてもよくわからない。

ただ単に満足しているというか気持ちいというか。心が満たされている感覚なのだ。

投稿者: khaya060

「寂旅」がテーマです。 基本的にブログは不定期で書きたい時に書いています。 週末を主な行動日としていますが、時には平日も活動します。 過去の行動ログ 自転車:北海道一周 北海道横断 日本縦断 年越し宗谷岬 年越し納沙布岬 登山 :北海道100名山(8/100)

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